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西原博士のブログ

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正統免疫学への復帰 Part.12

正統免疫学への復帰 Part.13
破綻した「自己・非自己の免疫学(Pseudoscience)」を正す
 
2.エネルギーと生命体と病気
(1)生命体とエネルギー
高等な哺乳動物である人の生体を最も簡略化して見ると、60兆箇の細胞とこれらを互に連繋するメディウム(体液=溶液)から成り立っています。そして細胞内の細胞液もメディウムもともに水溶液でできています。油の溶媒の生命は存在しません。何故でしょうか?水は電解値を解離しますが油は解離することが出来ません。つまり生命現象は、すべて水溶液内における解離した電解質の電気反応現象なのです。生命体と無生物体の違いは何でしょうか?無生物体は、時間の経過とともに宇宙から降り注ぐエネルギーを受けて一方向性に崩壊してゆく(エイジングする)のに対して、多数の細胞から成る生命体は日々古くなった細胞を作り換え(リモデリングし)ながら成長したり成熟し、性成熟し老成すると個体丸ごとをリモデリングすることが出来ます。つまり生命体は、時間の作用下で宇宙から降り注ぐエネルギーを受けても崩壊の一途を辿ることなく、自らリモデリングしてリニューアルするシステムを持っているのです。生命の本質は細胞やその部分の旧くなってほころびたパーツを新しい材料に交換する新旧交代(新陳代謝=リモデリング)によってエイジングを克服することです。この新旧交代のリモデリングには、交代の材料となる新しい物質と、時間の作用のほか引力・熱エネルギーをはじめとする物質の崩壊を促すエネルギーに逆らってリモデリングするための反応に要するエネルギーの生産が必須です。エネルギーの産生なくしてリモデリングはありません。つまり生命現象の本質はリモデリングにあり、そのためにはエネルギーを産生することが必須なのです。もう一つ必須なのが絶えることのない宇宙エネルギーの流れの存在です。太陽系の中に存在する地球で言えば、太陽エネルギーを中心とする各星の固有のエネルギーの存在のことです。太陽と地球の引力、月の引力つまり太陽系の星々の持つエネルギーが無ければ、高等動物の生命は一瞬たりとも存立しえないのです。つまり高等生命体の哺乳動物の命は、太陽光のサンサンと降り注ぐエネルギーと地球や月の引力エネルギーの流れる地球宇宙船の地上の空間に存在し、そのエネルギーの風の流れを使ってめぐる風車のような存在なのです。しかしただの風車はリモデリングをしないので生命体ではありません。したがって生命の渦の風車は、それ自が生命個体となっていて、固体外の宇宙から降り注ぐエネルギーの力をかりながら、個体の肉体(風車となる細胞)をリモデリングして物質交換によって渦を廻らしつつ独自のエネルギーの渦を廻らしているのです。単細胞生物のバクテリアや原生動物は、宇宙のエネルギーの流れが無くても、生命の渦は廻りますが、多細胞動物の脊椎動物は、宇宙のエネルギーの流れが無ければ存在することが出来ません。つまり高等生命体は、物質のリモデリングの渦と生命エネルギー産生の渦が同時に起こっているのです。高等生命体と一粒で生きる原核生物の細菌や原生動物とは、細胞間を互に連撃し制御するシステムの有無で異なります。物質交換の渦の材料が、すべてのミネラルとビタミンと補酵素と必須脂肪酸と必須アミノ酸と炭水化物の栄養素と水と酸素と必須の元素です。いわゆる栄養素の大元は太陽エネルギーで、これが光合成によって植物により合成されたものが巡り巡っています。従ってわが太陽系においては、太陽エネルギーが存在しなければ、いくら地球の引力が存在していても高等生命体は生きて行けないのです。
 

2017-07-24 16:58:44

正統免疫学への復帰 Part.12

正統免疫学への復帰 Part.12
破綻した「自己・非自己の免疫学(Pseudoscience)」を正す
 
(4)生体活性素材を用いた細胞の遺伝子発現によるハイブリッド型人工器官の開発
-臨床医学による進化と免疫と生物発生の謎の究明- その2
 
これが神経胚でこの時に多体節化が起こり、次いで鰓腸胚と続いてエンブリオ期が終わり哺乳動物型フィータスとなるのである。筆者はサメのMHCが眠っていることを検証するために、自己・非自己の免疫学者が決して起りえないとしている成体の同種のサメ間と異種のサメ間の皮膚の交換移植を行ってすべて成功した。ネコザメとドチザメの皮膚の移植では異種のドチザメの楯鱗のあるネコザメの皮膚の組織標本も得られた。またゼノプスの皮をサメに移植するとサメとゼノプスのキメラの楯鱗が生まれたが、これは萌出することができなかった。サメのMHCの遺伝子が眠っていれば、すべてのサメの器官や臓器が哺乳動物に移植可能のはずである。そこでサメの角膜、皮膚、脳、筋肉、腸管の一部をラットと成犬の当刻する諸器官と臓器に移植してすべて成功した。この一連の移植の研究は第9回日本MHC学会(1998年)で発表し、最優秀抄録賞というけったいな賞を受賞した。こうして「自己・非自己の免疫学」のよりどころとするMHCが単なる成体型の蛋白質であり、動物の臓器移植時に問題となる組織免疫の働きをもつ白血球の働きであり、本来の機能は新陳代謝すなわちヒト個体60兆箇の細胞が1日に1兆箇リモデリングする時の陳旧性の細胞を消化するシステムであることが解明された。従って「自己・非自己の免疫学」は組織免疫系すなわち先天免疫系で移植時に起こる白血球の細胞消化システムであり、微生物や寄生虫によって生ずる免疫病とは全く無縁の学問であることがここに明示されたのである。この研究がすべて完了したのが2001年の春であった。この春に日本免疫病治療研究会を設立し同時に現在の研究所を設立し、大学病院から移った。
これまでに得られたミトコンドリアの知見と実験進化学の成果を踏まえて真正用不用の法則と真正生命発生原則を提示し、人工歯根療法を確立し臨床免疫病治療学を実践しながら、いよいよ多細胞動物の体の仕組みの研究に入った。ミトコンドリアは生命体内の小生命体であり、エネルギーを産生する。エネルギーとは質量のない物質である。生命とエネルギーの関係はどのようになっているのか?生命とエネルギーと病気の関係もどうなっているのかを解明する時期が漸くやってきたのです。昭和36年から平成13年までの41年間は修行時代だったのです。いよいよ何物にも制約されることなく基礎医学と臨床医学を自由に思い切り深く研究することができる環境を自分で整えることが出来るようになったのです。ここに漸くにしてロベルト・マイヤーの発見した「エネルギー保存の法則」と生命現象を真正面から取り組むことができるようになりました。マイヤーの保存則の発見は、ギリシア哲学から21世紀の今日におよぶ人類史上、ニュートンの万有引力の発見と並ぶ最大の科学的成果です。
 

2017-07-04 09:59:25

正統免疫学への復帰 Part.11

正統免疫学への復帰 Part.11
破綻した「自己・非自己の免疫学(Pseudoscience)」を正す
 
(4)生体活性素材を用いた細胞の遺伝子発現によるハイブリッド型人工器官の開発
-臨床医学による進化と免疫と生物発生の謎の究明- その1 
筆者は1988年に一定の生体力学刺激をバイオセラミクスに負荷することにより、哺乳動物の間葉組織内でin vivo(生体内)に造血と造骨を共役して誘導する人工歯根と人工骨髄造血器官を開発した。これは、すべての生体力学刺激が体内においてはメディウム(体液)の流体力学エネルギーに変換され、これと共役して発生する流動電位によって間葉細胞の遺伝子の引き金が引かれて発生するものである。生命体は質量のある化学物質と質量のないエネルギーを等しく(等価として)触媒として遺伝子の引き金を引き、これにより生体活動を行っていたのである。これにより脊椎動物の進化が重力作用に基づいた生体力学刺激の恒常的な変化によって起ることを明らかにした。特に脊椎動物の進化の第二革命といわれる上陸劇が、重力作用の6倍化と生活媒体が水から重量にして800分の一の空気に変化し粘稠係数も熱容量も大きな水から極小の空気への変化に対する皮膚・外呼吸器・骨格系を形成する細胞群の環境因子の物性という生体力学的な変化への対応による遺伝子発現すなわち化生(metaplasia)によることを明らかにした。これを敷衍すると免疫系の発生も免疫寛容から組織免疫系発生のメカニズムも骨髄造血系の発生もすべて第二革命の重力対応により、眠っていた遺伝子が覚醒して遺伝子発現したに過ぎないことを明らかにした。実際的な検証としては、骨髄造血巣を内骨格に持たない原始脊椎動物のサメに人工骨髄電極チャンバーを入れることにより、脊柱部付近の筋肉層に鳥類の造血巣に近似した骨髄造血器官を人為的に誘導する実験進化学的手法を確立した。組織免疫系の発生については、原始動物のサメには主要組織適合抗原の遺伝子はすでに検証されている。原始型動物は哺乳動物では羊水中の胎児と同様の体制にあると考えられるのである。これは出生前の胎児がサメと同様に羊水中で1/6Gのもとに生きているために血圧が15 mmHgであることから、流動電位が微弱で細胞内遺伝子のMHCの発現が眠っているのである。出生と共に重力の6倍化が起り、これに対応するシステムとして血圧の上昇が起こるとMHCを始めとしてすべての成体型の蛋白質を誘導する遺伝子の発現が徐々に起るのである。それまではすべてが胎児性の蛋白質を作る遺伝子のみが働いていたということである。受精卵つまり単独の原生動物型個体細胞の卵割にはじまり、時間の作用で時々刻々と個体細胞の分裂が起こり桑実胚を経て単体節の原腸胚に至り遺伝子重複が起こり遺伝子自体の重複の変化の発生過程がほぼ系統発生の初期のエポックの再現として起る。
 

2017-06-16 10:51:34

正統免疫学への復帰 Part.10

正統免疫学への復帰 Part.10
破綻した「自己・非自己の免疫学(Pseudoscience)」を正す
 
(3)再び臨床医学のこと その2
20世紀の初頭にメチニコフが免疫の現象の本態が白血球の持つ細胞の貪食による消化力であるとしたのに対し、エールリッヒは白血球の作る液状の蛋白質による鍵と鍵穴の関係による抗原抗体反応であるとして論争したが、結局は両者が同じ現象の異なる側面であるとして共にノーベル医学生理学賞を受けたのが1912年でした。これが寄生微生物に対する免疫学の始まりである。伝染病や感染症に対する免疫学は、抗生物質が発見されるまでは、もっぱら抗血清療法とワクチンによって治療されたため、血清学と呼ばれていた。これが免疫学と改められたのは、約30年前にル・ドワランがウズラとヒヨコ(ニワトリ)の胎生期の神経堤を移植することに成功し、キメラを孵化させて、白血球の持つ組織免疫の働きを発見した時に始まる。これが自己・非自己の免疫学の端緒となったのである。ウズラの脳と神経堤をヒヨコのその部分に交換移植するとウズラの脳と羽を持つヒヨコが孵化誕生した。
胎生期には組織免疫系は遺伝子(MHC主要組織適合抗原)が眠っているので当然生着するのであるが、生着したウズラの脳と羽は、この雛が育つとヒヨコ固有の白血球によって貪食されて死んでしまったのである。それ迄の人類の共通の認識として脳に自己を決める固有の性質すなわち個性があると思っていたのであるが、その脳細胞が白血球に食われたので白血球が個性としての自己・非自己を決めているのだとしたのである。そしてこの白血球の持つ自己・非自己の認識システムこそが免疫システムの本態と思ってしまったのである。そしてこの移植手術時に胸腺を同時に移植すると排除されないことから、胸腺を持つ動物にはすべて自己・非自己を決める白血球育成システムを持つとしたのである。1985年頃には、世界的にエイズ・エボラ・インフルエンザ等ウイルス性の疾患が、文明生活の乱れとともに蔓延し、医学と生命科学の世界は混乱に次ぐ混乱の時代に入りました。ヒトゲノム解読計画がスタートしたのもちょうどこの混乱期の頃です。ゲノムが最も多い動物はヒトではなくて肺魚です。次に両生類で、これらは哺乳動物の数十倍のゲノムを持っています。土の中で生活するこれらの動物は、土中の細菌やウイルスを体細胞内に共生させているので、そのゲノムが遺伝子の中に組み込まれてしまうのです。つまりジャンクゲノムが数え切れないほどに存在しているのです。従ってこのヒトゲノム解読計画も、最初から大した意味は無かったのです。解からないよりは解読した方が良いといった程度です。遺伝子の解読よりは遺伝子がいかに発現されるかが重要なのです。
 

2017-05-22 10:24:12

正統免疫学への復帰 Part.9

正統免疫学への復帰 Part.9
破綻した「自己・非自己の免疫学(Pseudoscience)」を正す
 
(3)再び臨床医学のこと その1
昭和46年に3年間の実験の研究生活から臨床医学に復帰しました。昭和47年には難治性疾患の医療費公費負担制度が出きました。1965年頃から世界的に経済が急成長し、技術革新の時代に入り、文明国人の生活様式が激変しました。ジャンボジェット機が、瞬く間に地球を縮小させ、石油の無駄遣いによるエネルギー浪費が顕著な時代となったのです。私は、この時期から臨床の治療医学を連綿と続けているので、ほんの40年前に流行していたサルコイドーシスや好酸球肉芽腫症、日和見感染症や自家中毒、SLEや膠原病、リウマチや喘息が、現在流行している疾患とどのように関連しているかを振り返って今日の立場から考えることができます。
ステロイド療法の誕生はセリエのストレス学説がきっかけとなっています。ストレスとは歪みのことで、体に歪みを作る刺激をセリエはストレッサーと呼びました。この中にはばい菌の感染も含まれていたのです。しかしストレス学説の普及とともにこの学説は微妙に変化して、ストレッサ-という言葉が消失し、ストレスという言葉が実体の定かでない「重圧・刺激」といった程度の漠然とした意味となり、訳のわからない病気はすべてこの漠然としたストレスが原因となって、脳下垂体―副腎系ホルモンが反応し体の歪みのバランスが破綻して病気が起るというように変化してきたのです。そして原因の特定されていないアトピー性皮膚炎、リウマチ、膠原病、SLE、喘息等に合成されたステロイドホルモンが投与され始めたのでした。風邪は万病の元といわれた頃の病気が実は日和見感染症や自家中毒症であり、これが慢性化したのがアトピー性皮膚炎やリウマチ、膠原病、喘息だったのです。
1980年代には抗生物質の乱用が極まって、耐性菌の感染が問題となり、やがてその院内感染症や手術後の感染症がクローズアップされるようになりました。
世界的経済の急成長と技術革新に伴って文明国の生活習慣も激変し、唯物主義と物質万能主義に毒されて質量のないエネルギーを無視する冷中毒と働き中毒、過労と骨休め不足、過食と短眠が横行したのです。これらの生活の乱れとあいまって、抗生物質療法とステロイド療法が普及したために、日和見感染症が劇症化したのが訳のわからない免疫病すなわち難病の本態だったのです。原因がなければ病気は起らない。すべての原因は訳のわからないストレスという言葉の一言で片付けて抗生物質やステロイドを闇雲に使用してきたのが、この40年間でした。
 

2017-05-09 10:42:19

正統免疫学への復帰 Part.8

正統免疫学への復帰 Part.8
破綻した「自己・非自己の免疫学(Pseudoscience)」を正す
 
(2)ミトコンドリアのこと その2
ATP合成メカニズムは今日的に重要であるが、ミトコンドリアの変異発生に関する研究は38年前の私の研究以外には世界中で誰一人として行っていないのでここに詳しく記述する。酵母のミトコンドリアを使って、細菌の蛋白質合成を阻害する抗生物質クロラムフェニコール(クロマイ)と真核生物のそれらを阻害するシクロヘキシミドと、細菌の遺伝子発現を阻害するエチジウムブロマイド、細菌のDNA合成を阻害するアクロフラビン、細菌のRNA合成を阻害するストレプトヴァリシン等を巧みに使って呼吸機能を失った酵母ミトコンドリアの突然変異株のプチミュータントの発生の機序と原因物質を探る研究でした。
ミトコンドリアの蛋白質合成を阻害するクロマイでは一切ミトコンドリアの突然変異の発生は見られず、ただ呼吸が止まるだけでした。真核生物の蛋白質合成を阻害するシクロヘキシミドで高率にプチミュータントの発生が認められたので、各株の酵母にこれらの抗生物質を作用させた培養系におけるミトコンドリアのDNA、RNA、メッセンジャーRNA、蛋白質合成系のそれぞれの活性を観察比較して、ミトコンドリアのミュータントの発生する機序を考察した。その結果、ミトコンドリアのDNAポリメラーゼとRNAポリメラーゼが細胞質の核の蛋白質合成系によって作られており、これが酵母の核の細胞質蛋白質合成系(80Sライボソームによる真核生物型)を阻害するシクロヘキシミドによって合成阻害されてプチミュータントが発生することを示す分子生物学的データが得られた。
今日ではミトコンドリアが18億年前に寄生した原核生物の好気性のバクテリアであり、多くの寄生ウィルスや寄生細菌と同様に自身の増殖系機構のDNAポリメラーゼ等の重要蛋白質の合成系が核に移動していることが詳細に明らかとなっているのであるが、当時はこの成果は画期的なものであった。動物で一番大切なのが、細胞呼吸であり、この呼吸で得られたエネルギーで動物の細胞は日々生まれ代わり新陳代謝してリニューアルするとともに、動物が肺呼吸し、摂食し、成長し、睡眠し、排泄し、生殖をします。生命体の細胞の中で最も大切なものは核酸から成る遺伝子ですが、これも仮にミトコンドリアが働かなければ、どんなに立派な核があってもどうにも成りません。一粒の細胞内に遺伝子を持った数百数千と存在するミトコンドリアは18億年前に大型細胞に寄生した細菌型の小生命体です。この細胞内の小生命体の変異が核の遺伝子の蛋白質合成系の阻害で発生することを発見したのです。この研究の成果が40年後の「わけの解からない免疫病」発症の謎の究明につながるとは、当時は夢にも思いませんでした。
ミトコンドリアがエネルギー代謝の中心であることも当時解っていたが、まだこの細胞質内の小生命体が、まるで小さな小さな小人のホムンクルスの如く働いて、60兆箇の細胞から成る多臓器官共同体の連邦国家に相当する多細胞動物個体の全ての細胞群から成る多臓器官と組織細胞内の連繋機構を発生過程とともに、発育過程を通して構築し、個体が成熟し老成した後もこのシステムを運用していることは当時は思いもよらないことであった。ミトコンドリアに関する研究をまとめて学位論文を提出し、大学院を終了したのは昭和46年の春でした。その後制癌性の抗生物質のミトコンドリアに及ぼす影響についての研究を続けたが成果を得るまでには至らなかった。
 

2017-04-28 10:11:40

正統免疫学への復帰 Part.7

正統免疫学への復帰 Part.7
破綻した「自己・非自己の免疫学(Pseudoscience)」を正す
 
(2)ミトコンドリアのこと その1
大学院に入って丸1年間は、口腔疾患という窓口を通して精神科を含むあらゆる科の疾患の患者の治療に昼夜取り組みました。このときに体得した臨床医学の諸知識はまことに貴重なものでした。臨床医学をみっちり学んだ後にいよいよ学位論文の研究を生化学教室で行うこととして、山川民夫教授のもとに出向したのが昭和41年の4月で、癌細胞の膜の成分分析を研究テーマとしました。この時は生化学教室の同期入門者は後に日大神経内科の教授となられた高須俊明先が研究生として入り、後に東大医学部放射線施設長となられた篠田邦夫教授と御茶ノ水大学を卒業されたM女子と私が大学院生として研修を始めこととなりました。四人揃った最初の抄読会の席で山下民夫先生が大変お喜びになって言われた言葉が今も思い出されます。たった四人しかいない新入りの前で「今年入った顔ぶれを見るとこの中から将来大仕事をしそうな人がいるから、これからが楽しみだね」と言われたのです。この時から私は誰もがやっている方法で研究したのではブレークスルーを拓く研究は有り得ない。三木成夫の発想のもとに誰も考えたことのない研究法を考案すれば自ずと大仕事が出来るという確信を得たのでした。そしてこの四人で基礎的研究実験を四・五ヶ月間にわたり習得しました。そのうちに東大医学部から大学紛争が勃発しました。1年にも及ぶ大学紛争のあおりでこのテーマの研究が中断されたのを機会に、当時最先端の研究テーマとして「ミトコンドリア器官形成に関する分子生物学―ミトコンドリアの突然変異発生の原因究明に関する研究」に変更しました。これが昭和44年のことですから今から38年前のことです。ちょうどラッカーがミトコンドリアの内膜にATP合成酵素複合体(ATP アーゼ)がキノコ状に存在することを電顕で示し「生命の素粒子」と表題して間もない頃でした。ミトコンドリアは、当時すでにAltmanという人が細菌の一種であり太古の時代の真核生物への寄生体であるとする説が出された頃でした。ラッカーの次のミトコンドリア研究で注目されたのがミッチェルの化学浸透共役説である。これは呼吸が膜をはさんで働くプロトン駆動力によってATPを生み出すというものである。1978年にミッチェルはノーベル賞を受賞している。その後はジョン・ウォーカーによってATPアーゼの原子レベルの構造法定でP.ボイヤーとともに1997年にノーベル化学賞を受賞している。ミトコンドリアは今日にもその重要性は認識されている。

2017-04-20 09:53:12

正統免疫学への復帰 Part.6

正統免疫学への復帰 Part.6
破綻した「自己・非自己の免疫学(Pseudoscience)」を正す
 
(1)臨床医学のこと
 昭和40年代(1965年代)は、もはや戦後ではないといわれて10年が経過し、国民生活の上でも医学教育と国民医療制度のうえでも大きな変革期でした。出産と赤ちゃんの子育ては、わが国では医療体系としてよりは、古来からの伝承と母子の本能を中心とした産婆の制度と猿の子育てに似た伝統育児法が主体でした。1965年頃から米国型の産科医による出産とスポック博士の育児法と松田道雄氏のソビエト型保育園流の育児法が導入されました。
 医学では、明治・大正・昭和と連綿としてドイツ流の医学が踏襲されていましたが、この頃から臓器別のアメリカ医学が台頭してきました。ドイツ医学でも、眼科、耳鼻咽喉科、歯科口腔科・産科婦人科・皮膚泌尿器科等は臓器・器官別でしたが、アメリカ型のそれは、内科・外科もすべて臓器・器官別にするというものです。そしてドイツ型では、全ての科において病気は奇形、外傷、炎症、感染症、嚢胞・腫瘍、その他、というふうに原因に基づいたフィルヒョーの細胞病理学によって分類されていました。今世紀初頭のわが国も欧米先進国も国家の国民保健対策の主眼は伝染病つまりウィルスと病原菌に対する予防と治療対策でした。ところが戦時下で開発されたフレミングのペニシリンのおかげで感染症の様相が一変したのです。昭和40年頃には、わが国でも抗生物質の開発研究が進み感染症の治療が革新しました。ウィルス性の多くの疾患もワクチンにより克服されるとともに、日本脳炎もほぼ克服されたかに見えたのもこの頃でした。この頃に血液生化学検査法が開発され、種々の血液酵素値が示される時代となりました。この時期にようやく問題となってきたのが先の病理学分類で、その他に分類される一群の疾患です。これらは、機能性疾患とも言われ、体の使い方の偏りで生じたり、細胞の働きや代謝が変調したと考えられる疾患で、本当の原因がはっきりしない疾患群です。一方、明らかに感染性と考えられるものの、明確な特定の原因となる細菌が同定されない疾患として成人では、日和見感染症というのがあり、小児や乳幼児では自家中毒症、というのがありました。これらの疾患は、喉や口腔内、腸内の非病原性の常在性微生物によって発症する疾患です。またこの頃しばしば見られたリンパ節や特定の神経に結核菌によって生ずる肉芽種に近似した病巣を形成する疾患としてサルコイドージスがあり、顎口腔領域に腫瘍状に肉芽腫を形成するヒスティオサイトーシスX等がありました。ともに特定の細菌やウィルスが同定されず、原因となる微生物が不明であったのでX(エックス)なる名がつけられたりしました。これらの疾患にかかる患者の生活歴を詳しく調べると皆決まって短睡眠で口呼吸をしており、皆等しく体を酷使しており、冷飲料中毒で常に過労の人々でした。
 昭和45年(1970年)には、抗生物質の乱用による外科的感染症の陳旧化や原因が定かではないSLE(広範性狼瘡)や膠原病、リウマチや喘息が急増し、合成されたステロイドホルモンによる治療法が一般的になりました。5万人に1人といわれる難治性の疾患として潰瘍性大腸炎や多発性硬化症等が主としてステロイド療法の対象となりました。

2017-03-06 11:52:02

『ミトコンドリア博士重力進化学入門』パート1

『ミトコンドリア博士重力進化学入門』パート1

 西原研究所では進化の研究ためにアホロートル(ウーパールーパー)の水中から陸上への陸上げ実験をしています。
今日から「ミトコンドリア博士の重力進化学入門」~やさしい実験進化学~のお話をしていきたいと思います。
アホロートルを水中から陸上へ陸揚げすることによって1/6g(水中)の重力が1gになることによって色々な変化が生じます。重力によって生物が進化をしたという端緒をお見せしていきます。
まず最初にアホロートルの水を徐々に減らしていきます。
この段階では特に変化はありません。
写真は水中のアホロートルと陸上げから1~3日くらいの頃のものです。

 

 

2017-02-28 12:39:02

正統免疫学への復帰 Part.5

正統免疫学への復帰 Part.5
破綻した「自己・非自己の免疫学(Pseudoscience)」を正す

わが国伝統の口中医と口腔科医とアメリカ流の歯科
 明治以前のわが国と中国には口中医が存在し、ヨーロッパも外科医に属する口腔科医が医者の中の医者として位置づけられているから、当然一般医科でもこの「脳下垂体-顎・口腔・咀嚼による細胞呼吸統御システム」すなわち「顔と口腔の医学」の最重要性は肌で感じていて重要視されている。日本ではアメリカ型歯科が口中医を無視してエリオットによって民間主導で導入されたが、これはペリーによりヨーロッパに先んじて日本攻略をはじめた米国が、南北戦争で動きがとれず英仏に後れをとったための苦肉の策であった。最初の医師免許国家試験の4号で歯科医師となった小幡英之助は、元来外科医となるはずであったので、わが国の伝統の口中医の制度の医師としてエリオットの歯科技術を身につけたうえで口中医となるべきであったのだ。エリオットは、南北戦当時外科と内科の軍医であったが、極東を医学で制覇する目的で、わざわざペンシルバニア大学歯科医学校へ行って卒業し、歯科の技術を身につけて日本に渡来し、我が国では小幡たった一人を弟子として「歯科」で受験させることで、その後のわが国の医療制度をアメリカ型歯科に変えることに成功したのであった。英之助は、時の慶応義塾長小幡徳次郎の甥であった。福沢諭吉も徳次郎も彼が歯科医となることには反対したという。「天は人の下に人をつくらず」と言った諭吉がアメリカで見た歯科医を「士分のする仕事ではない」と言って猛反対したのである。口中医は、日本でもすでに医者の中の医者であったので、緒方洪庵の適々塾出身の福沢も外科医として口中医歯科をやることには賛成したはずである。今日のイタリーでもこの領域の医者の称号はメディコ・ヒルルゴ(外科医)スペシャリスタ イン オドントストマトロジアであるからまさに日本の昔と同じ口中医である。エリオットはその後すぐに上海に渡り、中国に歯科技術を植えつけて英国に移り、最後はそこで王立医科大学の歯科の教授となった。当時米国でヨーロッパより医術ですぐれていたのは、くさった歯の処置法と入れ歯の作り方のギルドの教程をdentistryの学校としてヨーロッパより早くスタートさせた歯科だけだったのである。ヨーロッパの口腔科はstomatologyとして眼科・耳鼻科と同じ医学の体系の一つであるが、dentistryは、alchemy錬金術からchemistryが出来たごとくdenture義歯からdentistry義歯術、むし歯処置術がギルドの学校として体系づけられたものである。たとえて言えば、今日の「自動車学校」のようなものなのだ。
 

2017-02-23 18:35:35

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