〒106-0032 東京都港区六本木6-2-5 原ビル3F

診療時間 10:00~13:00/14:00~17:00   ※休診日 / 水曜・土曜・日祝日

港区 六本木 歯科口腔外科,人工歯根,新しいインプラント,口腔生体力学療法,バイオメカニクスなど。【西原研究所】

HOMEミトコンドリア博士のごあいさつ著書研修制度料金表・アクセス

HOME»  西原博士のブログ»  油壺セミナー おもしろ話 脊椎動物の体のしくみの研究

油壺セミナー おもしろ話 脊椎動物の体のしくみの研究

  • 件 (全件)
  • 1
  • 2

「顔と口腔の医学」西原研究所と油壺セミナーについてPart.11 最終話 -油壺セミナー おもしろ話 脊椎動物の体のしくみの研究-

4. 姿勢を正す美呼吸体操法とこれを実行するための美呼吸デバイスとグッズ
ヒトの姿勢は、寝相・口呼吸・片噛みでの生活習慣によるエネルギーで寝ている時に決まります。これが自重による重力の作用です。
これを正すための呼吸法が美呼吸体操と寝相矯正体操です。ヒトの呼吸を真に理解するためには、まずわが宗族の源になる原始脊椎動物のサメと哺乳類のヒトの体のしくみを比較して呼吸筋肉の共通性を知らなければなりません。その上でどうすればよいのかをお示しします。
美呼吸デバイスとグッズを図6に示します。
 
5. 西原流ニューロン糸粒体共鳴診断法
【原理】
地中の水脈を探る方法として昔から使われているダウジングという方法がありますが、これは水が流れると流動電位が生じ、この電位を検者の脳内の手の筋肉を動かすニューロン内のミトコンドリアの共鳴現象によって感知して、杖を持つ手が自動的に動いて、これにより水脈の存在を判断する手法で、生物共鳴(バイオリゾナンス)現象の応用手法です。この手法を病人に応用したのがEnergy-based Quantum Medicineです。
CTスキャンもNMRも量子もつれ(entanglement)をコンピューター断層画像に撮影したものですから、その画像に含まれるクォークレベルの情報を感知することにより病気の診断と治療は容易で確実なものとなります。
すべての細胞内には電子伝達系による呼吸をもっぱらとするミトコンドリアが存在し、細胞内に毒物や細菌・ウイルスの汚染が生ずればこの電子流に障害が生じます。これが細胞レベルの免疫病です。これを検者が検知する事が出来るのです。これが新しいミトコンドリアリゾナンス診断法Mitochondrial Resonance Diagnostics (MRD)です。これにより難病の原因の究明がきわめて容易になりました。難治性の免疫病も、癌も精神病も、病原微生物とは無縁の口や喉や腸内の常在性の微生物が白血球(顆粒球)によって体中にばらまかれ、色々な器官や組織の細胞群に細胞内感染を引き起こして発症する事が明らかとなったのです。治療はこの細胞内感染症を治し、ミトコンドリアの元気を回復すればよいのですから、これらの三種の疾患の治療法は殆どすべて同じです。完治することがこの考え方の正しさを示すエヴィデンスです。従来の方法に比べて診断も治療も極めてやさしいうえに確実になりました。難治性疾患も手遅れでないかぎり治すことが可能となりました。
この原理を真に理解出来るヒトが今は僅少です。何故かと言えば、物質とは何か?重力とは何か?光とは何か?を真に究明しなければ解らないからです。本会長の西原は歯の本質的働きが“衝突”現象にあることを知り、これを深く考察して重力と光とエネルギーと時間と空間との関係を究明しました。そして出来たのがニューロン・ミトコンドリア共鳴診断法です。
 
これで『「顔と口腔の医学」西原研究所と油壺セミナーについて』シリーズを終わりにしたいと思います。
 

2016-12-20 16:44:00

折りたたむ

「顔と口腔の医学」西原研究所と油壺セミナーについてPart.10 -油壺セミナー おもしろ話 脊椎動物の体のしくみの研究-

3. ヒトの体と細菌やウイルスと環境エネルギー(寒冷・温熱と湿度・重力)との関係を知ることも病気発症のしくみを知るうえで大切です。わがヒトのいのちの最小単位である糸粒体は20億年前に大型の真核生物に寄生したリケッチアに似たプロテオ細菌です。細菌にも動物の細胞にもともに通常至適活動温度が決まっています。恒温動物の糸粒体は、体温より低くなると働きがにぶくなり、ヒトで38℃にもなれば大活躍し、42℃以上になると死んでしまいます。またヒトの口や喉・鼻腔・胃腸・泌尿生殖器内には、おびただしい数の殆ど無害の常在性の細菌とウイルスが共生しています。これらの微生物は、体温が1℃でも下がるとこれらの器官に存在する扁桃リンパ組織の袋状のM細胞内のステムセル内に自動的に大量に取り込まれます。これがバイ菌やウイルスを抱えた顆粒球です。これは、冷血動物のシステムです。今の医学では、免疫学でも細菌学でもこのことを体得している学者が皆無です。このことはホヤの体のしくみを見れば、すぐに解ることですが原始動物のしくみは、口腔の鰓と腸管内の栄養物も細菌もウイルスも全て血液内を巡り、完璧にこれらが血中に共生して生きています。哺乳動物も、最短時間で冷血動物時代を乗り越えて来ていますから、体を冷やすと、腸の細胞内糸粒体の働きがにぶり、自動的にバイ菌とウイルスに汚染された顆粒球に抱えられた微生物が血中を巡って体中の細胞内に播種されて、様々な臓器の細胞群の腸内の細胞内液がバイ菌とウイルスに汚染されます。
どんな臓器や器官の細胞群が汚染されるかで、症状と病名が決まります。この汚染状況はCT、NMR、MRIを眼視して見ても皆目わかりません。これを診断できるのは、西研流ニューロン糸粒体共鳴診断法のみです。

2016-12-01 16:51:05

折りたたむ

「顔と口腔の医学」西原研究所と油壺セミナーについてPart.9 -油壺セミナー おもしろ話 脊椎動物の体のしくみの研究-

2. 腸内微生物と体のしくみ
口・喉・鼻腔・胃腸には数え切れないほどにおびただしい数の微生物が生きて住み着いています。これらは、口呼吸を続けたり、腸が冷えたり、手や足、頭を冷やしたりすれば、腸扁桃(パイエル板)から未分化間葉細胞内に自動的に吸収されて顆粒球となり、体中を巡ってこれらをいたるところの細胞内に播種します。細胞内感染症ともなれば、糸粒体の栄養分が横取りされて細胞の働きが駄目になります。これが難治性疾患の本態です。
元々ヒトの身体の血液内には全く無害の微生物が少しは共存しています。余り多量になると障害がでるのです。わが宗族の源のホヤの体制を考えて見ましょう。口の中に鰓と脳の源となる脳下垂体がむき出しで突出し、これに口があり体を巡る血液の流れる血管と交通しているのです。口中の鰓の中にも血液内にもバイ菌もウイルスもいっぱい共存しています。表皮は殻で覆われていますが、元々これは外胚葉上皮細胞由来で、その
皮下には、波で受動的に動くようになった筋肉組織があります。外胚葉細胞の刺激は膜に伝えられると、それが筋肉に伝達されてその刺激で筋肉が動くようになるのです。この外胚葉細胞が神経細胞となります。外皮の海水にも細菌はウヨウヨいますから細胞内にもミトコンドリア(元は細菌)とともにこのバイ菌も棲みつきます。細菌とミトコンドリアは10数種の1粒のアミノ酸とその誘導体を餌として代謝したり分解します。神経細胞の働きはこうして発生すると考えられます。我々高等哺乳動物と原始型のホヤとの違いは冷血性か温血性だけです。体を冷やすと冷血動物システムが作動します。
 

2016-11-04 11:25:59

折りたたむ

「顔と口腔の医学」西原研究所と油壺セミナーについてPart.8 -油壺セミナー おもしろ話 脊椎動物の体のしくみの研究-

 これらの疾患治療の大元となる誤った生活習慣の矯正法を習得するには、その前に何故生活習慣という主として生体力学エネルギーや温熱寒冷エネルギー、重力エネルギー等で病気が起きるのかを理解する必要があります。それにはまず、これ迄完璧に失念されていた質量のない物質エネルギーと口や喉、腸内に共生している腸内微生物について、これ迄知られている事実のすべてを知り尽くしたうえで、これらすべてを導入してヒトの体のしくみを根本的にわが宗族のオリジンに立ち帰って解き明かしましょう。その上でヒトの体と病気との関連を深く考察し、さらに病気の予防をしたり回復させるべき正しい生活習慣の行動様式すべてと呼吸体操法や、病気を的確に治療出来るように診断するニューロン・ミトコンドリア共鳴診断法の解説も行います。
以下6項目に分けて説明します。

1. 身体のしくみ
2. 腸内微生物と体のしくみ
3. この両者とエネルギーとの関係
4. 体の正しい使い方のための呼吸法
5. ニューロン・ミトコンドリア共鳴診断法
6. 八正道

1. 多臓器多細胞のヒトの体を統一個体としてどのように制御しているのかをまずはじめに理解しないことには、身体のしくみも病気になるしくみもわかりません。
これ迄の高等生命体の最小のいのちの単位は細胞でしたが、これが間違いのもとで細胞内に数千個も生きている細菌の一種のミトコンドリア(糸粒体)です。これさえわかれば後は簡単です。ヒトの体を大づかみで見ると、筋肉の動きをつかさどる脳脊髄神経系と、動くことをつかさどる体壁系および内臓腸管系の筋肉系の二大システムがありこの二つの仲を取り結ぶのが心臓血管リンパ系です。さてこの仲を取り持つ器官は、どこにあるのでしょうか?
これはヒトの胎児では、個体発生の初期(32日目)に口の粘膜が脳方向に陥凹して出来るラトゥケ嚢に由来する脳下垂体です。脊椎動物の源のホヤではエラの背側中心に脳筋肉係のオリジンとして大型の脳下垂体があります。ヒトでは、脳に集まったすべてのエネルギー等の刺激は網様体を通って視床・視床下部に集中しニューロンで情報蛋白質に物質変換されて脳下垂体一点に集中します。細菌やウイルスを抱えた顆粒球と栄養と酸素を抱えたすべての物質情報系である血液は内頸動脈から一直線で脳血液関門のない下垂体から脳内に入り、一方椎骨動脈からも脳内の血液関門のない二つの脈絡叢から脳髄に入るのです。こうしてエネルギー情報形も神経情報系物質情報系のすべての情報がこの下垂体門脈の一点に集中して、この門脈血を介してこれらすべてが、脳内を含むあらゆる全身の器官の細胞内のミトコンドリアへと配達されます。血液が汚染されて細菌が播種されれば、器官の細胞内に感染が起こり、糸粒体が動けなくなって細胞がぐったりします。これが免疫病や難治性疾患(精神病や癌)の実態なのです。

2016-10-20 15:34:43

折りたたむ

「顔と口腔の医学」西原研究所と油壺セミナーについてPart.7 -油壺セミナー おもしろ話 脊椎動物の体のしくみの研究-

閑職ついでに、形態学と機能学を深めるとともに、医学も総まとめにして、考察し、従来の形態的病理学分類では、その他に属する疾患群が、細胞機能の障害による代謝性の疾患群であることにいち早く気付いた。そして代謝の源が細胞小器官の糸粒体(ミトコンドリア)によることも気付いていたから、エネルギー産生の変調がこの一群の疾患の本態であることを察知した。これらの疾患群の特徴は、原因が単純ではなくておびただしい数の多因子の複合によることもすでにわかっていた。口腔の疾患では機能性疾患は、口腔粘膜疾患、歯周病、口内炎、顎関節症、舌痛症、三叉神経痛等があるが、これらは一般に多因子性の疾患と考えるとおさまりが良い。このうち最も複雑雑多な因子でおこるのが歯周病である。これ迄見落とされていたのが、食物咀嚼時の食塊の磨砕時に歯肉部に生じる圧迫力すなわち臼磨時の力学エネルギーである。これらには歯間間隙のフッドインパクションや冠のねじれによる歯根面と歯肉の付着部の剥離、寝相や頬杖等による歯の側方力による歯の動揺、歯冠形態の不適当、口呼吸による歯肉部の乾燥等数え上げればきりがない。これらを一時にすべて制御しなければ治せない。歯列に段差があってもねじれがあっても歯肉は破壊的障害を受ける。目を転じて内科的疾患も殆どすべてが超多因子疾患であり、そのベースにははぼ確実に冷中毒と口呼吸が存在するから、これをまず正さなければならないが、いまだにこれが改められないのだ。
上司の制約が無くなった段階で新しい研究分野をたった一人で開拓するには、今日の医学と生命科学で完璧に見落とされているこの多因子複合体の本体が何であるかを突き止めるだけで良かった。今日の隆盛を極めたとされている分子生物学や自己非自己の免疫学、細分化され尽くした臓器別医学、遺伝子工学、ヒトゲノム計画のどこに盲点があり、これらをどんなにチームで研究しても絶対に究明できそうにない「脊椎動物の進化の学問」を樹立するにはどうすれば良いのかが自ずと解かる道が見えて来たのである。
まず、分子生物学樹立の端緒となったシュレーディンガーをよく研究することが肝要である。次いで進化の学問に深く関係していると確信しているゲーテの形態学の定義とラマルクの形態変容の用不用の法則、個体一代限りの形態変容のきまりのウォルフの法則、ヘッケルの生命発生原則の個体発生と系統発生の関係、三木成夫の生命の形態学の顔と口腔、咽喉と頸部・心肺の鰓腸の変容の法則性の究明と、この背後に潜むこれらに深く関与するあらゆる種類のエネルギーを解析することである。ここで常に問題となるのが、今日の生命科学を惑わすダーウィンの目くらましの進化論の有利不利仮説である。シュレーディンガーから三木成夫に至るまで、ともするとこのダーウィンの目くらましの陥し穴に陥ることが多々あるからである。今日最大のこの系統の学問の欠陥は、学問対象に関する定義が一切欠落していることである。「生命とは何か」でもシュレーディンガーは生命の定義は一切なく、ただごちゃ混ぜに、バクテリアファージ(ウイルス)から細菌、カビ、原生動物、多細胞の動物、植物、キノコ等一切をごちゃ混ぜにして論じている。つまりダーウィンと同様に博物学ムゼオロジーで物を考えているのだ。これはラマルク以前の学問である。彼がこれから生物学を分離してから、この方ムゼオロジーは今日では小学生の理科として扱われているのである。今の生命科学は、このために大混乱しているのだ。例をあげればヒトゲノム計画を立案しても、ゲノムサイズが一番大きい動物が両生類になりそこなった肺魚である事を知る者がいないのだ。冷血動物は血中のみならず体細胞中にもありとあらゆるウイルスと細菌が共存してその遺伝子の中にまで組み込まれてジャンク遺伝子となっているので、ヒト(哺乳動物)を100とすると肺魚のゲノムサイズは3000もあるのだ。冷血動物はもとより哺乳動物でも体温が下がると自動的に腸内のあらゆる常在微生物が白血球を介して体中に播種されることを一部の医者を除いて知るヒトがいないのである。こんなことだから今日文明国では、冷中毒で難治性疾患が激増しているのだ。
上司のY氏は、ドフトエフスキーの小説に出てくるスタヴロージン氏のごとく、はじめは弁舌さわやかに人を引き付けて、わが歯科口腔外科の由緒ある学会の「口腔科学会」を、言葉巧みに「口八丁、手八丁」で昭和50年から62年頃まで占拠し、この業界の没落をもたらしたのだ。Y氏が力を失って、漸く自由自在に研究と診療と教育を行う環境が回復したので、今迄世界中で誰一人として考えたこともない「歯の働きとは何か?」を物理学(エネルギー)の観点から考え、「生命とは何か?」をエネルギーの観点から深く考察した。すると今迄の進化学も免疫学も難治性疾患の発症の原因も治療法の謎もすべて重力エネルギーをはじめとする環境エネルギーと生命の源の糸粒体のエネルギー代謝と動物の動きの生体力学エネルギーの三者の統合のもとに究明されたのである。東大病院の在職中にほぼこの目安が立ったので、たった一人でこの現代医学と生命科学の謎解きを完成させるべく、今から14年前に小さな小さな研究所をたてて、医者を雇用して顔と顎口腔の医学を中心に免疫病と進化学のほぼすべてを究明することが出来た。

2016-08-02 14:04:04

折りたたむ

「顔と口腔の医学」西原研究所と油壺セミナーについてPart.6 -油壺セミナー おもしろ話 脊椎動物の体のしくみの研究-

五、西研はどのようにして出来たか
私が東京医科歯科大学の学生だった頃のことだからもう50年以上も前の話である。島峰徹先生の創始されたこの大学が、昔も今の文明国に存在しない口腔科医科大学構想が中途挫折したままに、二つの国難で大きく変折して今日に至っていることを知るに及んで、医者の中の医者島峰流の「口腔科医」になるにはどうすれば良いかを考えて、島峰先生の源流をたどることにしたのである。
明治33年(1900年)に出来た東大歯科学教室の余りの沈滞を見かねた小金井良精(解剖学)が本格的なわが国独自の口腔科医養成大学を作るべく、消化器内科の島峰をベルリン大学医学部歯科学教室に留学させたのである。
8年間の研鑚の後に米国の歯科学校を見学して帰国した島峰はしばらくの間沈滞した東大の歯科学教室に籍をおいてから、大学作りの活動を始められた。先生の旧制の口腔科医科大学構想の大学のカリキュラムは、すでに長尾優先生の「一脇の歯学への道普請」にもおさめられていたので、大学を卒業したら、東大医学部の基礎か歯科口腔科の大学院に進み、島峰流のカリキュラムを実践しようかと考えたのであった。
昭和40年の3月に卒業し、4月から2年間実地歯科治療にたずさわることにした。翌年の秋に東大口腔科の研究生となり、大学院受験の準備をした。その頃には、インターン廃止のための医科大学紛争が東大医と医科歯科大学ではじまっていた。42年4月の試験当日は青年医師連合会シンパの学生が大学院試験をボイコットするためにピケを張っていたが、始まる直前には試験場に通してくれた。試験会場は医学部中央図書館であり、その館物に青医連のたまり場があった。医学部紛争は昭和35年頃にはやった安保騒動(軍国国家による今次大戦敗戦後の後始末の協定改正の紛争)の後に来た経済発展にともなう文化立国建設の第一歩としてのわが伝統的日本医学の復活の目論みとして、米国の占領によるアメリカ医学の象徴のインターン制度の廃止を当面の目標として、その後に無給医の廃止運動へと発展したのであった。
院の試験をパスしてから大学院の研修コースを可及的に最大限習得し、病棟にて顎口腔疾患に関する全科の診療を経験してから二年目に基礎医学の生化学教室で研究生活に入って間もなく医学部紛争が大学全体に波及して入学試験も中止になった。若手研究者の会で活躍した後に研究生活に復帰して、ミトコンドリアの突然変異発生の原因究明のための分子生物学研究で学位を取得した。この時に成功した原因の究明が、40年後の難治性疾患の謎の解明と治療に役立つことになるのである。大学院を修了した頃に、当時極めて有能に見えた先輩Y氏にいたく気に入られて、重用されて従っていたが、色々な点でY氏を凌駕することが多くなると、当然疎んぜられるようになった。30歳で病棟医長となりその後6年間分院を任されて大活躍したが、本院に戻ってからは、昔の私に代る取り巻きの女医がでんと控えていてその後4年間も乾された。気が付くともう40歳を過ぎていたが、ペーパーは学位論文の「ミトコンドリアの突然変異究明のための分子生物学研究」の三編のみとなり、若気の至りで我が指導者選びに失敗したことに気付いたのが遅すぎてすでに後の祭りであった。医局生活では研究も手術も教育も殆ど出来ず、そのうえ10才年下の後輩の下につけられて、外来の初診とやさしい歯科口腔診療だけをさせられた。島峰流の口腔科医の学者生活を考えていたのに、とんだところに踏み迷って困惑したままに夏休みを迎えたのが1980年(昭和55年)頃であった。その頃、千葉の佐原に行ったところ、伊能忠敬の記念館があり、そこでにわかに伊能流に生きるすべを考えた。つまり閑職をこととして、これから準備して50歳を目途として研究生活に復帰すべく読書をはじめたのであった。隠居してからも天文学と測量をはじめた忠敬をはじめとして、夢を掘り当てたシュリーマン、床屋医者からモンペリエ大学の初代外科教授となったパレ、麻酔により「外科の夜明け」を切り開いたともに歯科医のウェルズ、モートンを研究した。またペリーの圧力で大騒動のすえに幕府が潰れた結果、日本国の体制も刷新された明治維新では、米国は自国の市民戦争(南北戦争)のために日本攻略では、ヨーロッパの英・仏・独に完全に後れをとったのであった。南北戦のさなかに外科と内科を担当した軍医エリオットがペンシルバニア歯科学校を卒業して歯科医となって日本に渡来し歯科医学とアメリカ文化(維新の頃の留学生による)によって日本を内面指導したのである。
 

2016-07-01 11:37:33

折りたたむ

「顔と口腔の医学」西原研究所と油壺セミナーについてPart.5 -油壺セミナー おもしろ話 脊椎動物の体のしくみの研究-

四、比較形態学による三叉神経の謎解き
進化の根本原理が解れば、脊椎動物の源の研究にうつることが肝要である。一つは原索動物のウロコルダータ・アッシディア海鞘(ホヤ)の体のしくみの研究であり、もう一つが原始脊椎動物の軟骨魚類のサメのそれとサメから哺乳動物への体制の変容の謎ときである。
ホヤは、わが脊椎動物の源ではあるがゲノムサイズが小さいから、まさに脊椎動物のはじまりの一粒の体節から成る故に顔の源でもある。ホヤにはオモテとウラの二面があり体のオモテ半分が口でその中に沢山のヒダがあり、これが鰓、そして口の真ん中に大きな脳の源となる脳下垂体のオリジンがあり、ウラの半側には太い胃腸と生殖巣があり排出孔に通ずる。そして体全体をぐるりと取り囲む筋肉に、後に脳脊髄の源となる神経がある。この筋肉と神経と消化管のすべてに巡る血液を動かすポンプの心臓がある。内腔のウラ半分には口と鰓のオモテから細い食道に続いて、ウラ半腔に大きな胃と太い腸が存在し、せっせせっせと食物を消化吸収して余った栄養を血液細胞と生殖細胞の卵子と精子に変えて腸に排出すべく貯留する。ホヤが遺伝子重複して多体節化したのが、わが脊椎動物なのだ。この重複の変容はわが宗族の個体発生の初期の神経胚の時におこる。ナメクジウオでも哺乳動物でも、神経胚の初期のエムブリオの体節は、ともに二つか三つで、後に神経胚のステージで無数に増えるのだ。
顔の源と言える一粒の体節で出来ている原索動物のホヤから数珠つなぎ状のホヤの鎖サルパを経て、一個体となった連続ホヤ型の頭索類ナメクジウオが誕生すると考えられるが、このものは一つの鰓に心臓が一つついている多数の鰓裂部と鰓孔のない腸管肝臓部に大別される体制となる。
ホヤの体制をつらつら見れば、わが哺乳動物の超多細胞、多臓器の身体のしくみも自ずと解るのだ。脳の源となる下垂体は、わがヒトの胎児のラトゥケ嚢(口蓋粘膜)から発生するが、これはホヤでは特大で、まさに鰓と胃腸と筋肉の総元締めである。何で元締めするのかと言えば、液性の情報蛋白質のホルモン・生長因子・サイトカインである。心臓の発達が極端に悪いが、この心臓脈管系によって腸と鰓の内臓系および筋肉神経系と、この両者を取り持つ脳下垂体のすべての多細胞内のミトコンドリアを情報蛋白でコントロールしているのである。つまり脳下垂体が体全体部をコントロールしている脳のはじまりと思えるほどに他の組織(生殖巣)に比べて大きいのである。これからを考えると、わが宗族の体のしくみは、神経からの情報刺激がすべて下垂体に集中しここで情報蛋白質に翻訳されて血中に流れて全細胞内のミトコンドリアに運ばれて、ここではじめて各細胞が連動して働くのである。
ホヤが波にゆられて自分で動くことを止めたら波の動きで鰓が自動的に呼吸するとすぐにも神経と筋肉と消化管が、用不用の法則で無くなりホヤの外殻の皮膚のみとなる。これが昆布となりやがては植物となる。動く事を特徴とする動物の進化と、根を張って波や風で受動的にのみ動く植物とでは進化の原因子が異なる事は、このことから瞬時にして解る。ホヤの体のしくみを図鑑で調べると、ほとんどが考えられないほど小さな下垂体と脳神経と、とんでもない所に多数の穴のある鰓が示されているが、これらについては観察にもとづいてすべて改めなければならない。
次に着目すべきが原始脊椎動物のサメである。この族の代表には、ドチザメ(Triakis)型とネコザメ(Heterodontus)型の二系統がある。
図鑑によれば、すべてのサメの鰓を動かす筋肉は、鰓板の部分に描かれている。
原始脊椎動物のサメの鰓腸を動かす筋肉は、従来すべての教科書(ローマーや三木成夫)には鰓板の鰓把部に描かれており、舌を含む顎口腔咽喉部の解剖図はどこを探しても見つからない。
解剖すれば一目瞭然で、鰓弓部を動かす細い軟骨はすべて、口の中央部に存在する筋肉の重層した固着性の舌の背面を覆う板状の軟骨につながり、一塊の舌筋を閉じた扇をわずかに開閉するごとく動かすと遠隔部の鰓孔を覆う鰓弓が動いて呼吸運動をする。その舌の根本(尾側底)に左右の舌の鰓呼吸筋肉由来の心房と心室から成る心臓が存在する。この鰓全体の運動と感覚を司る主役が三叉神経と舌下神経である。鰓の鰓弓呼吸運動のすべては、哺乳動物では咀嚼筋群と舌運動筋と心筋運動に受け継がれるのである。十二の脳神経のうち際立って大きな三叉神経はその脳脊髄内の神経核を観察すると、驚くなかれ十二本中の脳神経の中で唯一中脳路核と脊髄路核を持ち、全内臓をカヴァーする迷走神経や前庭神経をはるかに凌ぐ大きさである。脊髄路では迷走神経核を越えてはるか尾側方向へ走っているのである。
鰓呼吸運動を行うのに動かす力の源は舌筋群で、鰓弓軟骨は頸椎に繋がり、大きく湾曲して舌筋を通って舌背部の軟骨に繋がっている。鰓の筋肉と鰓心臓はともに鰓を動かしたり鰓と身体に血流を巡らせる呼吸内臓筋に由来する。心臓の周囲には空気の入っている囲心腔があり、その尾側底にサメの横隔膜がある。ヒトの胎児の神経胚が完了した時期には、心臓と舌は完璧に繋がっており、肺の芽と気管の原器が舌背部から囲心腔の横隔膜方向に伸びている。ネコザメの成体の外鼻形と口腔周囲のつくりと構えはヒト(哺乳類)の胎児のそれらと完璧に一致している。これらのことから、わが宗族の祖は本当にヘテロドンタス(哺乳動物の歯を持つサメ)― ネコザメだったことがわかる。ここで脳のはじまりの下垂体から出発した脳と内臓脳と身体のしくみを示す。
脳神経の役割は様々だが、機能面で分類すると、特殊感覚神経、体性運動神経、鰓弓神経の3つに分けることができる。特殊神経は、嗅覚、視覚、聴覚、平衡覚という特別な感覚を伝える。これらは、Ⅰの嗅神経、Ⅱの視神経、Ⅷの内耳神経であり、末梢から中枢へと向かう求心性神経である。体性運動神経は、Ⅲの動眼神経、Ⅳの滑車神経、Ⅵの外転神経、Ⅻの舌下神経で、おもに顔面の筋肉に関わる。残りの神経は鰓弓神経である。多くは運動神経線維と感覚神経線維が混合する。この神経には、咀嚼筋、表情筋など、横紋筋という筋肉を支配する鰓弓運動線維、副交感神経のひとつである迷走神経を代表とする内臓神経線維、顔面の皮膚感覚を伝える三叉神経など体性と内臓感覚線維、顔面神経、舌咽神経、迷走神経に含まれる味覚線維がある。三叉神経の橋部の核、中脳路核および脊髄路核の拡大図を示す。
 脳神経における三叉神経特異性は、その脳脊髄内の核すなわち中脳路核、脊髄路核の分布から察知されるが、すべての脳神経と連繋することは自明である。三叉神経痛の患者の臨床例では、発作時は深く心臓部痛とも関連する。不用意の歯の治療ではしばしば眼の焦点の不具合や心臓部痛の訴えが経験される。かくのごとく臨床例を通して神経の複雑な絡み合いのしくみも察知されるのである。
十二対の脳神経の中心となる三叉神経の活動は迷走をはじめとする鰓腸神経全域を活性化する。
朝の起床後の充分な食事では咀嚼運動により心、肺はもとより胃、十二指腸、回腸、盲腸、結腸、直腸が活性化されて、いわゆる胃-総腸反射がおこり、排便運動へとつながる。

2016-05-09 10:46:54

折りたたむ

「顔と口腔の医学」西原研究所と油壺セミナーについてPart.4 -油壺セミナー おもしろ話 脊椎動物の体のしくみの研究-

三、生体力学と流動電位と重力エネルギー
サンディエゴのWCBでは、骨の改造の原因子となる生体内電流が体液(血流・リンパ流)の流動電位によると言う学説を提唱したポーラックの後を継いだブルンスキー教授(カ大)が私の研究発表の座長を務めた。人工歯根開発研究で、歯根膜の線維関節を通して、殆どすべての関節が骨髄造血機能を持つことを体得した。三木のシェーマに、世界中の解剖学者の中で唯一骨髄造血の中心が関節骨頭にあることを記しているのであるが、このことをまず実際の組織標本の観察で確かめたのであった。
学会レセプションでは、ポーランドのミカエルという血液内科の教授と親しくなり、原始系の腸管造血から哺乳動物の骨髄造血への変容について話し合った。そしてこの時に人工骨髄造血器官の開発研究を本命のテーマとしようと心に決めた。彼の話からポーラックもブルンスキーもともにポーランド出身者であることを知った。スクリプス海洋研究所を見て、さしあたり進化の研究は、骨髄造血の皆無の原始脊椎動物のサメを用いて進化の先取りとしてサメの筋肉内に人工骨髄造血巣を作ればその原因子が究明できるのではないかとの見当がついていた。
油壺の東大の臨海実験所を紹介されてサメにセラミクス人工骨の骨髄造血チャンバーの移植を試みたのは、WBCの4年後のことであった。サンディエゴから帰って行ったことは、文科省の科研費の申請書の作成で、これが通ってこの計画を実施し、すべてがことごとくうまく行って、第30回日本人工臓器学会総会に発表して学会賞を受けた後に油壺でこの研究をはじめたのが1995年の春でした。これは進化学の研究そのものでもあった。東大の臨海実験所でサメを飼ったが、学生実習担当の職員が、実習の邪魔となるから早くサメを殺せとせまるので、中学の同期の友人にマリンパークの研究員を紹介してもらった。それが樺沢館長で、早速研究の場を移しそこで指導をして頂いた。進化の先取りの研究は、ことごとくうまく行ったので、これらを「生物は重力が進化させた」講談社ブルーバックスとしてまとめた。これはNHK教育テレビで「おもしろ学問人生」や「生物は重力が進化させた?」で30分番組に取り上げられた。こうして進化学の究明の端緒の原因子が生体力学の流動電位(バイオメカニクス)というエネルギーにあることが究明された。流動電位を生ずるエネルギーの大元が重力作用ということである。
サメを用いた進化の先取りの研究では、アパタイト人工骨に骨髄造血巣を誘導したばかりではなく、チタン電極でも脊椎軟骨部に造血巣を誘導することが出来た。つまり進化の原因子の一つはまぎれもなく質量のないエネルギーであることが示されたのだ。もう一つの原因子が質量のある物質の酸素や空気、水や糖類等数え切れない物質が、細胞下のレベルで細胞膜に作用して、これらの物性とエネルギーの協調作業が触媒作用となって細胞内のミトコンドリアに作用し、遺伝子発現の引き金を引き細胞の化生メタプラジアが起こり、これらの作用する時間の長短に従って細胞の形と働きが変化する。これが進化と呼ばれていたのである。

2016-04-07 18:39:32

折りたたむ

「顔と口腔の医学」西原研究所と油壺セミナーについてPart.3 -油壺セミナー おもしろ話 脊椎動物の体のしくみの研究-


 20世紀から今日隆盛を極めた分子生物学にも意外なことにエネルギーが完璧に欠落している。これを創始すべく「生命とは何か?」を著わした理論物理学者のシュレーディンガーは、生命とは何かを一切定義もせずに、細菌からウイルス、原生動物から多細胞の植物や動物を一切合切ごちゃ混ぜにして論じ、生命現象の本質を一切考えもせずに、ただやみくもに生命体の本質は遺伝現象だとして、最も小さくて寿命の短い(ターンオーバーが早い)細菌に寄生するファージ(ウイルス)を使って当時の量子物理学の手法をまねて微小の生命現象の研究をすすめた。当時物理学に行き詰ったデルブリュック等が生物学に統計物理学を導入し、それと同様に完璧な自然物理現象として生物学の研究をはじめたのである。つまり生物の細胞内に物質が集積すると統計熱力学が自然に作動して生物が動き出すと考えたのであった。ファージ(ウイルス)が独自で分裂することも出来ないで、細菌に寄生してその細胞内でのみ細菌のエネルギー源のすべてを使って増殖することすら考慮しなかったのである。生命は、外界からエネルギー(温度、湿度、重力等)と生命エネルギーの源となる酸素や栄養を取り込み、その力でエネルギーの渦をめぐらす事すら知らなかったのであった。シュレーディンガーは、おくめんもなく進化や精神も論じている。進化論では、ダーウィンのおとぎの有利不利仮説を信じてラマルクを否定しており、「精神と物質」では脳と精神や魂を対比させて、質量のある物質脳(仏教用語で「色」という)と精神(エネルギーで質量のないもの―仏教用語で「空」という)を統計物理学で説明せんとして失敗している。精神も魂も思想も生命に由来する体温と同じエネルギーであり、すべてはミトコンドリアが産生することすら知らなかったのである。ともかくデルブリュックらにより分子生物学なるものが誕生した( Physicist look at biology: Delbruck )。ちょうどその時にミトコンドリアのエネルギー代謝の謎が究明されはじめた。今から60~70年前のことである。はじめの分子生物学の殆どはミトコンドリアに関する研究であった。(1960年頃)。1965年(昭和40年)頃には、東大医学部生化学教室には、ニューヨークでミトコンドリアの分子生物学を学んで来た助手が5人ほどいた。昭和42、3年頃東大医学部から勃発した大学紛争の収束時に私はそのうちの一人若林一彦助手からミトコンドリアの分子生物学による研究方法の手ほどきを受けた。こうして生命におけるエネルギー代謝の本質的な重要性に醒めたのである。エネルギーがなければ「生命の渦」は巡らない。このことをシュレーディンガーが気付かなかったのだから、彼がエネルギーの電磁波動力学の体系を立てたと言うのが今もって信じられない。彼はもしかしたら統計的に数学を操っただけで質量のないエネルギーについては殆ど何も知らなかったのかも知れない。しかしとにもかくにも彼は量子のからみ合い(エンタングルメント)現象を発見した。これは、アインシュタインが否定し続けていたものであったが、30年後にその事実が検証されたのである。
「学問」とは何かを定義し、「脊椎動物」を定義し、「進化」を定義すれば、自ずから研究のてだてが解るのである。こうしたうえでエネルギーを導入し、ヘッケルの生命発生原則と重力にもとづくルーのバイオメカニクスで進化の謎解きをしたのがわが「重力進化学」である。
 

2016-03-07 14:16:41

折りたたむ

「顔と口腔の医学」西原研究所と油壺セミナーについてPart.2 -油壺セミナー おもしろ話 脊椎動物の体のしくみの研究-

二、超多細胞動物の統一個体の制御系の究明
油壺セミナーの目的は、超多細胞の多臓器から成る複雑極まりないわが哺乳動物のヒトの身体が、どのようなしくみで統一個体として制御されているのか、 を原始脊椎動物やその源となる原索類を研究することによって体得することにある。
脊椎動物の体のしくみを研究する一番的確な研究方法は、この宗族のオリジンから哺乳動物に至る系統発生の各ステージの全動物の体のしくみの比較研究を行うことである。これは形態学という学問を創始したゲーテの「器官と形状の本質を知ろうと思ったら、そのオリジンをたずねよ」という鉄則に従ったものである。明治の昔から油壺に存在する東大の臨海実験所は日本の水族館のオリジンであるが、これはナポリのそれに次いで出来た世界でも二番目に旧いものである。この由緒ある研究所で脊椎動物の進化に関する本格的研究を行いたいものだと考えたのは、1990年にサンディエゴのラ・ホヤにあるカリフォルニア大学で開催された第一回WCB(世界バイオメカニクス学会)に参加した時に訪れたスクリプス海洋研究所の水族館の巨大ないそぎんちゃく(腔腸動物)やホヤ(原索類)、ヌタウナギ(円口類)や原始脊椎動物の種々のサメやエイ等軟骨魚類の生きた化石にも近い系統発生学の標本を目にした時のことである。
このバイオメカニクス学会は、同大の工学部のFung教授によって作られたもので、動物やヒトの体を機械部品のごとくばらばらに分けてそこに機械工学理論をあてはめようというものであり、当時は最先端ということであった。私は当時インプラントとは異なり天然の歯に近い関節を有する人工歯根を開発していた。これを生体力学と生体反応と機能反応の面から総合的に研究を行い、特に形状効果に関するバイオメカニクスについてコンピューターによる有限要素法解析(FEM)を行った結果を発表した。この研究により動物の骨格の外形が、生体力学エネルギーによってウォルフの法則で変化することを明らかにし、この変化が究極では未分化間葉細胞の遺伝子発現によって生ずる細胞の化生(メタプラジア)で生起することを究明した。これを深く考えると、進化がどんな機序で起こるのかを解明することが出来ることに気付いた。
わが生命科学研究は、人工歯根でも人工骨髄造血器でも考え方の出発点は三木成夫のバイオメカニクスに基づく脊椎動物学すなわち個体発生学と系統発生学の関係を生体力学的視点から根本的に究明するというものである。彼のヒヨコの胎生発生学と原始脊椎動物との比較形態学の研究から感得された「俺たちの祖先は本当にサメだったのだ」という言葉が出発点となっている。当然この研究のオリジンのHaeckelとその一番弟子のRouxの提唱した重力に基づく生物発生機構学のバイオメカニクスに基礎をおいているのである。これはFungのはじめた全く哲学の欠落した浅薄菲才のそれとはケタ違いのもので、こんなものをやっても進化を学問的に扱うことなどは出来ない。
これまでは進化論なるものの多くはほぼ完璧に博物学に依拠していた。博物学「ムゼオロジー」は19世紀にはラマルクによって科学として「生物学」に改められているから、今や博物学は過去のものであり、小学生の理科といったレベルのものである。ダーウィン流の博物学の進化論仮説には学問的裏付けが一切存在しないうえに、学問の手続きも完璧に欠落している。ところが今日の最先端の学者でも未だにムゼオロジーで進化を考える事から抜け出せないために、進化という現象を学術的に扱うにはどうすれば良いか、誰一人として皆目見当もつかないのだ。わずかに制式の進化学説と言えるのが、19世紀の「ラマルクの用不用の法則」である。この法則には第一部と第二部があるが、彼はこの二つの法則は絶対不変の真理でありこれを否定することが出来る者は、自ら一度も自然観察を行ったことの無い者だけであると述べている。彼はこの言葉で、進化を学問として扱う方法論までも述べているのである。つまり学問の手法は単純で厳密な自然観察によるということだけなのだ。自然観察を実施するにはまず学問の対象をすべて逐一定義すること。サイエンスとは「錯綜する複雑怪奇な現象の背後に潜む法則性の究明」の一語につきる。ダーウィンの進化論は博物学のごちゃ混ぜの「有利・不利仮説」の推論で、質量の無いエネルギーが完璧に欠落した上に、生命全体が細胞から成り立ち、その細胞がミトコンドリアの生み出すエネルギーに依存して生命の営みが成り立っていることすら一切失念されているのである。
 

2016-02-01 10:14:03

折りたたむ

  • 件 (全件)
  • 1
  • 2