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三木成夫形態学の学術展開と「顔と口腔の医学」研究所の西原医学の樹立Part.14

三木成夫形態学の学術展開と「顔と口腔の医学」研究所の西原医学の樹立Part.14

三、脊椎動物の進化学を応用した真正免疫学(免疫系の真正用不用の法則)
白血球の進化について
本書は、これ迄のダーウィンや自己非自己の免疫学のごとき大人のお伽話ではなく、常に研究対象を定義しつつ複雑な現象系の背後にひそむ法則性を探し求める真正の学問を語るものである。従って重要な定義や法則をしっかりと腹におさめてもらうために、その都度これらを記すことにする。
 
脊椎動物の特徴
哺乳動物のヒトの身体のしくみを研究しようと思ったら、その所属する脊椎動物をきちんと把握する必要がある。すべての研究には、その対象となるものの定義が必須である。すでに再々述べているが、今迄の生命科学は殆どすべての研究で定義が欠落していたので覚えて頂くために再度この宗族の定義からはじめる。
脊椎動物を定義すれば「骨化の程度は異なるものの、骨性の楯鱗と脊柱を持つ脊索動物のことである。その特徴的器官として外呼吸器として鰓腸および肺のオリジンの腸管による呼吸を行う。」生命体には大略二系統がある。原核生物の細菌類と真核生物の原生動物および多細胞生命体である。前者は遺伝子が二重螺旋一対のハプロイドで、細菌自体でエネルギー代謝をもっぱらとするが、後者は原核生物由来のミトコンドリアを持ち、エネルギー代謝を主にこれが担い、遺伝子は二重螺旋二対のディプロイドで細胞の体積も前者の1万~10万倍程大きい。後者の多細胞体には動物と植物があり、脊椎動物と高等植物はホヤ(Ascidia)を共通の祖としている。単細胞と多細胞生命体とは、細胞外mediumの循環系の有無が根本的な違いで、動物には心臓腸管系があり植物には維管束がある。数兆個の全細胞内の呼吸はミトコンドリアで大半がまかなわれるが、外呼吸と内呼吸の仲を取り持つのが血液細胞である。ホヤには軟骨性の楯鱗があるから、脊椎動物のオリジンはホヤであるが、ホヤは単体節動物であるため脊椎動物に進化するためには多体節化として遺伝子重複の過程が必須である。細胞内で行われる内呼吸とは、酸素だけでは回転しない。内呼吸に必要な栄養は腸管で消化されてから吸収され、血液により酸素とともに全細胞に運ばれる。従って血液細胞が消化管と細胞内呼吸とを結ぶ絆である。脊椎動物の系統発生を見ると、腸管が主体で発生し、多細胞体が整った段階で造血と同時に心臓脈管系が腸管に接して発生する。当然腸管で栄養や酸素に接して造血細胞が遺伝子発現により分化誘導されるのであるが、系統発生が進むとともに造血の場が少しずつ移動するのが脊椎動物の特徴である。無顎網の甲皮類では、頭部を覆う皮甲のアパタイトからなるアスピディンは表層直下に造血層がある。この皮甲が後に皮骨の頭蓋骨になるのである。次のステージの棘魚類に進化すると、皮歯楯鱗の根部で造血が行われる。この段階では、造血の大半は腸管の附属する鰓腸・心臓・肝臓・腸管で行われる。進化が進むと造血系の主体は脾臓にうつるが、赤血球造血が移動の主体であり、白血球造血は腸管内に哺乳類に至るまでとどまる。内骨格の軟骨が硬骨化する段階で外呼吸器が鰓から肺に変容すると共に造血の一部も骨髄に移動するのである。個体発生でこれを観察すると、発生の初期には、腸管原器周辺で血島が発生し、順次、心・腎・肝の原器へと移行し脾臓を経て生後重力作用にさらされて血圧が急上昇すると共に骨髄へと造血系も移動する。造血器官では、栄養と酸素を運搬する赤血球のほか、血中に侵入してくる細菌・異物・毒物・寄生体・移植動物細胞等を細胞レベルで消化、分解する白血球の一群がある。これが消化管外の細胞による侵入物の消化吸収システムであり、エネルギーへの対応まで考慮すれば動物の生命維持を含むリモデリング系すなわち免疫システムと言われる仕組である。進化にともなって起こる造血器官の移動の謎の究明とは、とりもなおさず免疫システムの進化がいかなる要因によって引き起こされるかという事の究明ということである。
従来の医学と生命科学には、「生命とは何か?」の定義が欠落していたから、基本的事項を知らぬまま、世界中で免疫学や治療医学の究明が行われていた。つまり高等動物の哺乳類のヒトの60兆個からの細胞一粒の中に数千個存在するミトコンドリアの働きで支えられている複雑な器官の集合体の身体が、丸ごとブラックボックスとなっていて、このボックス全体にやみくもに臓器別医学があてはめられていたのである。生命とは何かの定義は、従来は全く顧みられたことがないので再度記す。再々読むうちに覚えて頂きたい。「高分子の蛋白質・核酸等から成るリン脂質の膜で境された生命体は、エネルギーの渦が巡るとともに遺伝子の機能を発現させ個体のパーツ又は全体をリモデリングする。これによりエイジングを克服するシステムが生命体である」と定義すれば、60兆個から成る哺乳動物の細胞内でエネルギーの渦を巡らせるミトコンドリアが、最重要細胞小器官であることがわかる。次いで重要なのが外呼吸の腸管による栄養・酸素の取り込みと60兆個の細胞呼吸のミトコンドリアとの仲を取り持つ血液の循環である。その源が造血器官である。脊椎動物を決める物質が軟骨と骨であり、特徴器官が腸管呼吸器の鰓と肺である。鰓も肺も心・腎・肝も腸管も発生過程ではすべて造血器官であり、更に体壁系筋肉内にも造血巣が原始系では観察される。従って骨と腸管外呼吸器と造血系の進化を研究し、進化の起こる原因子を明らかにすれば脊椎動物の謎はすべて解明されるはずである。鰓と肺では、酸素に接触した未分化間葉細胞が遺伝子発現して赤血球が分化誘導される。腸管のリンフォイド組織系GALTでは、細胞やウイルスが未分化間葉細胞に取り込まれると、遺伝子発現して顆粒球が発生する。動物の細胞は、ある種のエネルギーによっても、ある種の物質によっても未分化間葉細胞の遺伝子の引き金が引かれて別の細胞に変化する。これを化生(Metaplasia)という。進化が恒常的な環境の変化や行動様式の変化によって起こるのは、この化生現象と骨格系形態の機能適応現象というエネルギーによる遺伝子発現で起こる二系統の変化による。

2015-06-04 10:20:51

三木成夫形態学の学術展開 西原医学の樹立