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「顔と口腔の医学」西原研究所と油壺セミナーについてPart.1 -油壺セミナー おもしろ話 脊椎動物の体のしくみの研究-

「顔と口腔の医学」西原研究所と油壺セミナーについてPart.1 -油壺セミナー おもしろ話 脊椎動物の体のしくみの研究-

一、原始脊椎動物の比較形態学のはじまり
油壺の東大の臨海実験所や隣のマリンパークの水族館に通い始めたのは、アパタイト人工骨髄のチャンバー開発に成功して日本人工臓器学会賞を受けた1995年からです。その後日本機械学会のバイオメカニクス部門で、私の提唱で油壺シンポジウムを毎年1回開催し5~6年これを続けました。
油壺での研究はその後もマリンパークの樺沢館長先生の協力のもとにずっと続け、東大をリタイヤーした後に西原研究所を開いてからも毎年油壺セミナーとして遠足をかねて本会員の自由参加のもとに続けております。こうして雌伏すること1995年以来約20年して漸く原始脊椎動物で哺乳類の祖先のネコザメの研究も西研の難病の臨床研究も完成しました。
油壺セミナー流に解説しましょう。はなたちばなの香りを感受するのが、系統発生的に最も旧い一番目の脳神経‐嗅覚神経です。この神経は唯一脳神経で交叉しないので右は右鼻、左は左鼻から直接左右それぞれの内臓脳の感覚野に入り、食の相の食欲中枢と次のステージに来る生殖の相で働く生殖欲中枢をこの嗅覚が担当します。
原始脊椎動物サメの前段階はヌタウナギやヤツメウナギの円口類で、そのさらにさらに元が脊椎動物の根源となる原索類のAscidiaホヤです。ここにマボヤ(Holocintia)の解剖所見と切片を示しましょう。ここに大きな脳の源となる脳下垂体の原器(neural gland)があります。ホヤは鰓の袋と胃腸管がウラオモテに供在しています。オモテがエラのある口腔で、そこに大きな下垂体原器があり、これが脳の源となるのです。
哺乳動物では、これが口の粘膜由来のラトウケ嚢に相当するものとなるのです。
次には最も原始型の円口類のヌタウナギの口と顎のかまえと鰓と心臓および原始脊椎動物軟骨魚類のネコザメのそれらとを比較して見ます。円口類の口と顎のかたちはネコザメそっくり。そしてヒトの胎児の原初のエラの発生型とムカシヤツメのそれの型もそっくりで、ヒトの胎児の32日目の外鼻と口のまわりの構えもネコザメの成体そっくり。
ヌタウナギのエラと心臓は酷似していて七つあり、左右のエラもぐにゃぐにゃ動きます。心臓は左右のエラが合体したごとく一つになって動くのです。

ネコザメの心臓は舌の尾側底の横隔膜上にあり、舌と一体となっています。サメの舌がエラを動かす鰓腸内臓筋で、心臓が鰓腺に血液を送るポンプであり、ともに筋肉を殆ど持たない鰓を動かしたり血を巡らせる装置であることが一目瞭然です。その下のヒトの胎児の32日目頃も舌と心臓が一体となっています。ネコザメとヒトの体制の比較図を示します。
これを見ただけで三木成夫の「俺達の祖先は本当にサメだったのだ」という事がわかります。わが日本の古事記ではカムヤマトイワレビコ(後の神武天皇)の祖母つまり火遠理命(ホオリノミコト)の妻の豊玉姫は、実は()ヒロもあるフカ(ワニザメ)だったとあります。くわしくは「顔の科学」に記してあります。
大和心では心の源は心臓や腹にあるとされています。
万葉仮名では「こころ」は許々呂とか胎児(ココロ)と書いて、心臓のこっこっこっこっとひびく音に由来する表音言葉とされ、主に内臓のことを表しました。
したがって万葉集では、心にはじまる万葉歌は人麿呂らの三首しかありません。こころや精神を表明する源となる内臓は当然鰓腸ですから、哺乳動物でこれらは肺と心臓です。
油壺セミナーの成果で、肺が鰓と酷似した赤血球造血器官であり、その付属装置の扁桃器官が白血球リンパ球発生装置であり心臓も元来は造血器官に由来することを明らかにしました。
従って胸の高鳴りや胸のうきうき感、血湧き肉おどる躍動感はすべてこれらの臓器の活性化のあらわれです。逆に胸が痛む、つぶれる、こころが痛む、はりさけるといった悲痛さの表現は、主に心臓と肺、横隔膜をつくる細胞内の糸粒体のあえぐ状態を現わしています。
統合失調症の昔名の分裂病SchizophreniaはPhrenic “横隔膜が張りさける“のがその語源です
欧米人は自分を指さす時に手のひらで胸を軽くおさえるのに対して東洋流は、鼻の頭を指さして自分の旗印としています。呼気と呼気の絶え間ない交代を肌で感ずるのが鼻腔であり、肉体で感ずるのが胸腔です。この二種類の感じ方の違いは、「生命呼吸」の“おのずから”の感じと「意志呼吸」の”みずから“の感じのちがいです。両者が交代して体得され続けるのです。
こうして鼻の頭を象どる象形文字の「自」が、無意識と意識の間を往き来しながらやがてそれが「自分」の旗印となって指さしの対象となるのです(三木成夫)。
顔とは、いうなれば腸の筋肉が目鼻をつけて、あたかも脱肛のように、外界に露出したものであります。したがってその表現運動は内臓の反応が白日の下に晒け出されたもの、と見ることが出来る。いまこの表情筋が鰓の筋肉に属する、いいかえれば脊椎動物における、もっとも歴史の古い筋肉であることを思い合わせると、たとえば臨終の際に見られる「鼻翼呼吸」がまさに古生代の昔の鰓呼吸の、束の間の再現であることを思い知らされるのです(三木成夫)。
発声は、表情と同様に、内臓運動の高度に分化したものと見ることが出来ます。内臓系つまり植物器官が心臓すなわち“こころ”に象徴されるとすれば、人間の肉声と表情は、そのひとのこころが、もっともあらわに表出されたものとなります(三木成夫)。
舌は前述したように、呼吸の鰓を動かす鰓腸筋のまとまった筋肉に由来し顔の筋肉もまた由来は同じです。従って声もことばも鼻のある顔もすべては鰓腸内臓筋肉ですから、昔の武人が顔を示して名のりをあげるのは、内臓の心と魂を提示しているということです。
それに対して胸廊の呼吸は、鰓腸筋肉が殆ど関与しないで横隔膜を胸筋、腹直筋、広背筋、肛門拳筋等体壁筋を意志の力で強引に動かして行う呼吸です。
わが大和民族の武人が自己実現に失敗した時に最も恐れたのが敵方に首を取られる事です。そして失敗の責と怒りやいきどおりを自ら鎮める作法が切腹です。腸のおさまっている腹を自らさばくことで自らを処するのがわが民族の指導者たちの作法だったのです。
超多細胞の多臓器からなるヒトの体を個体として統一的に制御しているのが大脳辺縁系内臓脳の統合器官の脳下垂体‐血液循環系で、この液性の数百種類もの情報蛋白質により60兆個の細胞内に数千も存在する糸粒体をコントロールすることで、超多細胞同志を連繋してまとまった統一個体として制御がされています。
顔色も眼の輝きも顔のかがやきも、すべては内臓腸管系細胞とこれとともに共役として働く脳のニューロン内のミトコンドリアの活動状況を現わしているのです。
 

2016-01-08 10:21:24

油壺セミナー おもしろ話 脊椎動物の体のしくみの研究