〒106-0032 東京都港区六本木6-2-5 原ビル3F

診療時間 10:00~13:00/14:00~17:00   ※休診日 / 水曜・土曜・日祝日

港区 六本木 歯科口腔外科,人工歯根,新しいインプラント,口腔生体力学療法,バイオメカニクスなど。【西原研究所】

HOMEミトコンドリア博士のごあいさつ著書研修制度料金表・アクセス

HOME»  西原博士のブログ»  油壺セミナー おもしろ話 脊椎動物の体のしくみの研究»  「顔と口腔の医学」西原研究所と油壺セミナーについてPart.2 -油壺セミナー おもしろ話 脊椎動物の体のしくみの研究-

「顔と口腔の医学」西原研究所と油壺セミナーについてPart.2 -油壺セミナー おもしろ話 脊椎動物の体のしくみの研究-

「顔と口腔の医学」西原研究所と油壺セミナーについてPart.2 -油壺セミナー おもしろ話 脊椎動物の体のしくみの研究-

二、超多細胞動物の統一個体の制御系の究明
油壺セミナーの目的は、超多細胞の多臓器から成る複雑極まりないわが哺乳動物のヒトの身体が、どのようなしくみで統一個体として制御されているのか、 を原始脊椎動物やその源となる原索類を研究することによって体得することにある。
脊椎動物の体のしくみを研究する一番的確な研究方法は、この宗族のオリジンから哺乳動物に至る系統発生の各ステージの全動物の体のしくみの比較研究を行うことである。これは形態学という学問を創始したゲーテの「器官と形状の本質を知ろうと思ったら、そのオリジンをたずねよ」という鉄則に従ったものである。明治の昔から油壺に存在する東大の臨海実験所は日本の水族館のオリジンであるが、これはナポリのそれに次いで出来た世界でも二番目に旧いものである。この由緒ある研究所で脊椎動物の進化に関する本格的研究を行いたいものだと考えたのは、1990年にサンディエゴのラ・ホヤにあるカリフォルニア大学で開催された第一回WCB(世界バイオメカニクス学会)に参加した時に訪れたスクリプス海洋研究所の水族館の巨大ないそぎんちゃく(腔腸動物)やホヤ(原索類)、ヌタウナギ(円口類)や原始脊椎動物の種々のサメやエイ等軟骨魚類の生きた化石にも近い系統発生学の標本を目にした時のことである。
このバイオメカニクス学会は、同大の工学部のFung教授によって作られたもので、動物やヒトの体を機械部品のごとくばらばらに分けてそこに機械工学理論をあてはめようというものであり、当時は最先端ということであった。私は当時インプラントとは異なり天然の歯に近い関節を有する人工歯根を開発していた。これを生体力学と生体反応と機能反応の面から総合的に研究を行い、特に形状効果に関するバイオメカニクスについてコンピューターによる有限要素法解析(FEM)を行った結果を発表した。この研究により動物の骨格の外形が、生体力学エネルギーによってウォルフの法則で変化することを明らかにし、この変化が究極では未分化間葉細胞の遺伝子発現によって生ずる細胞の化生(メタプラジア)で生起することを究明した。これを深く考えると、進化がどんな機序で起こるのかを解明することが出来ることに気付いた。
わが生命科学研究は、人工歯根でも人工骨髄造血器でも考え方の出発点は三木成夫のバイオメカニクスに基づく脊椎動物学すなわち個体発生学と系統発生学の関係を生体力学的視点から根本的に究明するというものである。彼のヒヨコの胎生発生学と原始脊椎動物との比較形態学の研究から感得された「俺たちの祖先は本当にサメだったのだ」という言葉が出発点となっている。当然この研究のオリジンのHaeckelとその一番弟子のRouxの提唱した重力に基づく生物発生機構学のバイオメカニクスに基礎をおいているのである。これはFungのはじめた全く哲学の欠落した浅薄菲才のそれとはケタ違いのもので、こんなものをやっても進化を学問的に扱うことなどは出来ない。
これまでは進化論なるものの多くはほぼ完璧に博物学に依拠していた。博物学「ムゼオロジー」は19世紀にはラマルクによって科学として「生物学」に改められているから、今や博物学は過去のものであり、小学生の理科といったレベルのものである。ダーウィン流の博物学の進化論仮説には学問的裏付けが一切存在しないうえに、学問の手続きも完璧に欠落している。ところが今日の最先端の学者でも未だにムゼオロジーで進化を考える事から抜け出せないために、進化という現象を学術的に扱うにはどうすれば良いか、誰一人として皆目見当もつかないのだ。わずかに制式の進化学説と言えるのが、19世紀の「ラマルクの用不用の法則」である。この法則には第一部と第二部があるが、彼はこの二つの法則は絶対不変の真理でありこれを否定することが出来る者は、自ら一度も自然観察を行ったことの無い者だけであると述べている。彼はこの言葉で、進化を学問として扱う方法論までも述べているのである。つまり学問の手法は単純で厳密な自然観察によるということだけなのだ。自然観察を実施するにはまず学問の対象をすべて逐一定義すること。サイエンスとは「錯綜する複雑怪奇な現象の背後に潜む法則性の究明」の一語につきる。ダーウィンの進化論は博物学のごちゃ混ぜの「有利・不利仮説」の推論で、質量の無いエネルギーが完璧に欠落した上に、生命全体が細胞から成り立ち、その細胞がミトコンドリアの生み出すエネルギーに依存して生命の営みが成り立っていることすら一切失念されているのである。
 

2016-02-01 10:14:03

油壺セミナー おもしろ話 脊椎動物の体のしくみの研究