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正統免疫学への復帰 Part.8

正統免疫学への復帰 Part.8

正統免疫学への復帰 Part.8
破綻した「自己・非自己の免疫学(Pseudoscience)」を正す
 
(2)ミトコンドリアのこと その2
ATP合成メカニズムは今日的に重要であるが、ミトコンドリアの変異発生に関する研究は38年前の私の研究以外には世界中で誰一人として行っていないのでここに詳しく記述する。酵母のミトコンドリアを使って、細菌の蛋白質合成を阻害する抗生物質クロラムフェニコール(クロマイ)と真核生物のそれらを阻害するシクロヘキシミドと、細菌の遺伝子発現を阻害するエチジウムブロマイド、細菌のDNA合成を阻害するアクロフラビン、細菌のRNA合成を阻害するストレプトヴァリシン等を巧みに使って呼吸機能を失った酵母ミトコンドリアの突然変異株のプチミュータントの発生の機序と原因物質を探る研究でした。
ミトコンドリアの蛋白質合成を阻害するクロマイでは一切ミトコンドリアの突然変異の発生は見られず、ただ呼吸が止まるだけでした。真核生物の蛋白質合成を阻害するシクロヘキシミドで高率にプチミュータントの発生が認められたので、各株の酵母にこれらの抗生物質を作用させた培養系におけるミトコンドリアのDNA、RNA、メッセンジャーRNA、蛋白質合成系のそれぞれの活性を観察比較して、ミトコンドリアのミュータントの発生する機序を考察した。その結果、ミトコンドリアのDNAポリメラーゼとRNAポリメラーゼが細胞質の核の蛋白質合成系によって作られており、これが酵母の核の細胞質蛋白質合成系(80Sライボソームによる真核生物型)を阻害するシクロヘキシミドによって合成阻害されてプチミュータントが発生することを示す分子生物学的データが得られた。
今日ではミトコンドリアが18億年前に寄生した原核生物の好気性のバクテリアであり、多くの寄生ウィルスや寄生細菌と同様に自身の増殖系機構のDNAポリメラーゼ等の重要蛋白質の合成系が核に移動していることが詳細に明らかとなっているのであるが、当時はこの成果は画期的なものであった。動物で一番大切なのが、細胞呼吸であり、この呼吸で得られたエネルギーで動物の細胞は日々生まれ代わり新陳代謝してリニューアルするとともに、動物が肺呼吸し、摂食し、成長し、睡眠し、排泄し、生殖をします。生命体の細胞の中で最も大切なものは核酸から成る遺伝子ですが、これも仮にミトコンドリアが働かなければ、どんなに立派な核があってもどうにも成りません。一粒の細胞内に遺伝子を持った数百数千と存在するミトコンドリアは18億年前に大型細胞に寄生した細菌型の小生命体です。この細胞内の小生命体の変異が核の遺伝子の蛋白質合成系の阻害で発生することを発見したのです。この研究の成果が40年後の「わけの解からない免疫病」発症の謎の究明につながるとは、当時は夢にも思いませんでした。
ミトコンドリアがエネルギー代謝の中心であることも当時解っていたが、まだこの細胞質内の小生命体が、まるで小さな小さな小人のホムンクルスの如く働いて、60兆箇の細胞から成る多臓器官共同体の連邦国家に相当する多細胞動物個体の全ての細胞群から成る多臓器官と組織細胞内の連繋機構を発生過程とともに、発育過程を通して構築し、個体が成熟し老成した後もこのシステムを運用していることは当時は思いもよらないことであった。ミトコンドリアに関する研究をまとめて学位論文を提出し、大学院を終了したのは昭和46年の春でした。その後制癌性の抗生物質のミトコンドリアに及ぼす影響についての研究を続けたが成果を得るまでには至らなかった。
 

2017-04-28 10:11:40

正統免疫学への復帰