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正統免疫学への復帰 Part.26

正統免疫学への復帰 Part.26

正統免疫学への復帰 Part.26
破綻した「自己・非自己の免疫学(Pseudoscience)」を正す
 
2)ここに理化学研究所所長免疫アレルギー科学総合研究センター長の谷口克氏の論文(WEDGF 2005.November.P58~59)を引用し、問題となる箇所に番号を記してその解説をしておく。
花粉症はなぜ増えたか 谷口克(理化学研究所)
 21世紀における医学の挑戦
開発途上国にはアレルギー患者はいない。戦前の日本にもアレルギーはなかった。戦後60年かけて、われわれは生活レベルを向上させ、生活環境とくに衛生環境を清潔に保つ生活用品を発明した結果、世界一乳児死亡率の低い国になった。抗生物質を使用することによって食糧生産も順調になり、食物連鎖の頂点にいるわれわれの身体は、以前にもまして清潔になったが、代わりにアレルギー体質を獲得した。①このような状態であるから、アレルギーはこれからも増え続ける。アレルギーは、たかだか60年間で人間の体質を変えた物質文明に、生命システムが発信した警告かも知れない。1億年後に出現する病原体にまで対応できるかけがえのない免疫システムをバランスよく機能させるためには、乳児期からの病原体との上手な付き合いが必要であることを教えている。
(理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センター長 谷口克)
 
花粉症はなぜ増えたか
「国民の約3分の1が花粉症、アトピーや喘息などのアレルギーを発症している。しかし、アレルギーに対する明確な根本治療法は未だにない。アレルギー現象は、20世紀の初めにジュンナーの種痘の発見にヒントを得て、リシェーがイソギンチャク毒素に対するワクチンを開発しょうとして、犬に2度目の毒素を注射したところ犬がアレルギーショック死をしたことから明らかになった。③このアレルギー原因物質がIgE抗体であることを1966年に石坂公成・照子夫妻が突き止めた。④約40年も前に原因物質が発見されたのに、なぜアレルギーの根本治療法が開発されないのか?
 その一つは、アレルギーが環境因子によって極めて大きな影響を受けることにある。実際、84年に東京都杉並区住民に行ったスギ花粉に対する抗体保有率の年齢別調査の結果、戦前生まれの人にはほとんどアレルギーがなく、戦後生まれの人にアレルギーが明らかに
多かった。アレルギー疾患はここ60年間に10倍に増え、70年にはアレルギー体質保因者(ダ二/スギに対するIgE抗体陽性率)は集団において、たかだか10%以下の頻度であったものが2000年には80%以上に達していることから今後も花粉症が増え続けると考えられる。とくに世代間でのアレルギー患者頻度はそれをよく反映し、最近の調査でもダニ、スギに対するIgE抗体陽性率は20代(80%)、40代(70%)、50代(40%)、60代(30%)となっている。
 
アレルギー増加の要因
 アレルギーの発症は、大きく3つの要因が考えられている。
 まず第1の要因としては、抗原量の増大である。戦後植林したスギ面積は40年に50万㍍だったものが、70年には150万㍍に達し、その大部分が、花粉を大量に放出する年齢に達しているという。また家ダニ数も住居環境の改善により飛躍的に増えている。
 第2の要因は、自動車、特にディーゼル車から出る大気汚染物質の増加である⑤。都市と農村を比較すると都市部で圧倒的にアレルギー患者が多く、花粉飛散量は同じであっても交通量の多い日光街道沿いのアレルギー患者発症頻度(15%)は、交通量の少ない小来川地区(5%)のそれと比べると有意に高い。同じことが旧西独(21%)と旧東独(6%)の比較を見ても明らかである。
 第3の要因は感染症の激減である。60代以上の方は、幼児期にほとんどの仲間が青鼻を垂らしていたが、今ではそのような光景は見当たらない⑥。生活環境が整備され、次々に強力な抗生物質が開発された結果、がんやエイズ、あるいは免疫不全になっている老人を除いて、感染症で死ぬことはほとんどなくなった。しかし、清潔になった環境が、アレルギー患者を増やし続ける一番の原因となっている。とくに幼児期における感染症の低下が問題だ。生後6カ月までに染症を患えば、アレルギーにかかる率は低下する⑦し、6歳の時点でツベルクリン陽性の子供が喘息に罹患する頻度は4分の1以下に減少する。兄弟数も発症頻度と関係している。第1子のアレルギー罹患率は6・3%であるのに対して、第2子は4・9%、第3子は3・1%になることからも、兄弟間で相互に感染することがアレルギー抑制に効果があることがわかる。逆に一人っ子や、生後3年以内に抗生物質を投与された場合、アレルギーは増加する。これは動物実験でも証明されていて、生後4週まで
に持続的にカナマイシンを投与するとアレルギーをおこすIgE抗体の数値は高くなる。
谷口克(理化学研究所)
 

2018-03-22 11:11:59

正統免疫学への復帰