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「顔と口腔の医学」西原研究所ではどうして全科の医師をまとめて指導できるのか?③ Part.4

「顔と口腔の医学」西原研究所ではどうして全科の医師をまとめて指導できるのか?③ Part.4

  ヨーロッパがEUに統合されるまでは、イタリア、オーストリア、東欧に存在した医者の中の医者「口腔科医」による診療制度は、極めて有効なものでした。島峰先生は、大正時代の関東大震災直前まで、世界にも類例のない口腔科医科大学構想の実現のためカリキュラムまで作って揃えましたが、大震災という国難で潰えて、とりあえず東京高等歯科医学校という専門学校を作ることとなったのです。昭和に入ってこれを旧制の口腔科医科大学に発展させる前に今次大戦となり、軍部の要請でやむなく専門学校のまま軍医養成の医学科を作ったのでしたが、20年2月に先生が逝去されてから、この変則のまま敗戦を迎えたのです。後を継いだ長尾優が曲折を経てほぼそのまま大学に昇格させたのが今日の東京医科歯科大学です。昭和36年に著者は市川での二年間もっぱら読書三昧の教養課程を終えてお茶の水の専門課程に進学しました。
ここから著者の医学研究への第1歩が踏み出されました。最初の講義が解剖学です。この領域は明治以来充分に耕されており、分厚い日本語の教科書が多数存在していたので重要なものをすべて揃えました。ここでまず、わが専門領域の「顔と口腔」が解剖学用語で「顔面頭蓋」ないし「内臓頭蓋」とよばれ、この部のすべての筋肉が元々は呼吸内臓筋肉(鰓の腸の筋肉)に由来し、この複合器官がヒトの個体を代表するとともに生命を支える最重要の細胞呼吸を支配する酸素と栄養の取り込み口であり、60兆個の全細胞の内呼吸のコントロールをする複合臓器である事を知り深く感動しました。
続く三木成夫の講義でも、顔と口腔がヘッケルの生命反復学説の中心を成すことを知ることとなりました。この学説は、ヘッケルの三つの造語の並んだもので「個体発生は系統発生を繰り返す」”Ontogeny recapitulates phylogeny” 、となっています。この動詞の部分は「頭部(Caput)において繰り返す」という意味なのです。講義が進むに従って、細胞呼吸のミトコンドリアの制御系のホルモンの司令塔の脳下垂体前葉が、ヒトの個体発生の初期35日目頃の口腔の天井の粘膜から発生するラトゥケ嚢に由来することを知ると、もはや顎顔面・口腔が細胞呼吸のコントローラーの司令塔である事を悟り、この領域を制した医者が医者の中の医者であるとの確信が得られたのです。
一方、生理学では、昭和37年当時大流行していたセリエのストレス学説でも、脳下垂体・副腎系のホルモンの変調が健康と病気に深くかかわるとの学説だったので、さらにこの考えに意を強くしました。ラトゥケ嚢に由来する脳下垂体の前葉は本当の脳ではなくて、後脳由来の下垂体後葉と合体して、血液に溶けるホルモン・(サイトカイン=当時のことばは無かった)・生長因子・神経伝達物質等によって腸管内臓系・体壁筋肉系と脳脊髄神経系との仲を取り持つとともに全身を構成する全60兆個の細胞内の生命力の源のミトコンドリアの制御系であることを知り、しばし我を忘れて感動したものです。生化学では、脊椎動物を定義する物質がヒドロキシアパタイトと硬蛋白質のコラーゲンである事に注目しました。これらの物質を人工的に合成すればこの宗族の謎が究明されることを確信したのです。一方、細胞小器官のミトコンドリアが糖とミネラルと水を使ってエネルギー物質のATPを産生する電子伝達システムを有する細胞呼吸の中心器官であり、生命力の源であることを知りさらに感動しました。臨床の一般医学の講義は、内科、外科、泌尿生殖器科、産婦人科、耳鼻咽喉科、眼科等はすべて短時間の口述講義のみであったので、医師の国家試験用の安直テキストを全科そろえて、暇を見つけては専ら自習しました。口腔科医としての実習は、口腔外科手術学も口腔科治療学も一切なく、ただただ歯科治療の実習の大半が、歯科技工技術のトレーニングで、専ら義歯や冠や充填物の鋳造技術の習得の訓練にあけくれた観がありましたが、これが後の人工関節骨髄造血巣チャンバーや人工歯根の開発研究には極めて有効でありました。臨床の歯の治療の保存学、補綴学、クラウン・ブリッジ学、部分床義歯学、全部床義歯学、歯周病学等の教科書は、図を見ればわかるものばかりなので一切購入せず、歯列矯正の「機能的顎矯正法」のみとし、あとは歯の発生学、一般人体病理学、口腔外科学、歯周病学はすべて独逸語と英文の教科書を揃えて専ら自習しました。
 

2013-09-26 11:54:40

どうして全科の医師をまとめて指導できるのか?